世界で一番貧しい大統領の警鐘 欲求の法則から逃げられたとき 人は自由になれる

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「世界一貧しい大統領」として知られる、南米ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカさん。彼は在任中も大統領公邸ではなく、郊外の小さな家で暮らし、現在も月1000ドル強で生活しているそうです。

ムヒカさんは現在、食道がんと闘っていますが、あるインタビューで次のように答えたそうです。

「欲求の法則から逃れられたとき、人は自由になれる」

欲望にまみれ、稼ごうとあくせくしている自分にとって、この言葉は冷や水を浴びせられたかのような感覚を味わわせました。

ホセ・ムヒカ氏とは

ホセ・ムヒカさんは、1935年にウルグアイの首都モンテビデオの貧困家庭に生まれました。穏やかそうな彼ですが、若い頃は激しいゲリラ活動や左翼運動に従事しました。極左武装組織「ツパマロス」に加入し、労働組合や職人組合の政治経済への反発といった時代の中で、数々の襲撃や誘拐に携わりました。その過程でムヒカさんは6発の銃弾を受け、4度の逮捕を経験し、2度の脱走も果たしています。特に1972年に逮捕された際は、軍事政権が終わるまでの約13年間を収監されていました。

出所後、ムヒカさんはゲリラ仲間とともに左派政治団体を結成し、1995年の下院議員選挙で初当選を果たしました。2005年にはウルグアイ共和国初の左派政権となる拡大戦線のタバレ・バスケス大統領の下で、農牧水産大臣として初入閣しました。そして、2009年11月の大統領選挙では、元大統領である国民党のルイス・アルベルト・ラカジェ公認候補を決選投票で破り、ウルグアイ第40代大統領に就任しました。

大統領としての任期は5年間で、2015年に退任後、日本にも訪れ、2016年4月には東京外国語大学で講演を行いました。2020年10月20日には、高齢などを理由に政界からの引退を表明しました。

ムヒカ氏の政治的思想

極左活動をしてきたムヒカさんですが、彼はベネズエラのウゴ・チャベス大統領のような極端な反米左派ではなく、中道左派路線を基調としました。かつて自分を収監したウルグアイ軍部に対して報復をせず、友愛と融和を重んじたようです。

経済面は専門家に任せており、左派経済学者であるアストリ副大統領はチリ式の新社会主義を標榜しつつも、実際の政策では実用主義経済を優先しました。その結果、ウルグアイ経済は年率7%成長し、1人当たりのGDPが南米最高を記録。貧困率も低下し、国民を豊かにしました。

また、彼の基盤であった左派労組、公務員労組団体に対しては「想像もできない特権を享受して君臨している」と指摘し、貴族労組と呼びました。公務員を終身雇用にせず、公共公務員の交替制度を提案することもありました。

さらに、同性結婚や妊娠中絶を合法化し、国内に蔓延して不法組織の資金源となっていた大麻を合法化することで、その資金源を断つなど、ウルグアイの国政に大きく貢献しました。

ムヒカさんの政治スタイルは、日本ではれいわ新選組の山本太郎氏が近いように思います。あるいは自民党の総務大臣に就任した村上誠一郎氏でしょうか。このような政治家が日本にもいたら…とつい思わずにはいられません。

世界一貧しい大統領として

ムヒカさんが世界中で有名になった理由は、彼が「世界一貧しい大統領」であったからでしょう。実際、彼の個人資産は1987年製の古いフォルクスワーゲンとトラクター、そして農地のみであり、大統領官邸には住まず、首都郊外の質素な住居で暮らしていました。

所有するフォルクスワーゲンは、2014年時点での価値が2800ドル(約32万円)でしたが、アラブの富豪から100万ドル(約1億6千万円)で買い取るという打診を受けました。しかし、ムヒカさんはこれを拒否しました。彼の言葉によれば、「友人たちから貰ったものを売れば、友人たちを傷つけることになる」とのことでした。ムヒカさんはお金以上に大切なものがあることを理解していたのでしょう。

さらに、彼は自身の給与の約9割を貧しい人々へ寄付し続けました。このような行動は誰もができることではありません。

そして、ムヒカさんが来日された際には、「日本は進歩を遂げた国だが、それで本当に日本人は幸せなのか」と問いかけたそうです。

稼ぐ事より大切な事を忘れてはいけない

ムヒカさんは現在、食道がんにかかり、放射線治療を受けています。医師たちは治療がうまくいったと言っていますが、彼自身は「ボロボロだ」と述べています。

そんなムヒカさんは、「人類はこのままでは破滅に向かう」と警鐘を鳴らしています。それは「実に多くの時間を無駄なことに使っているから。もっと人は穏やかに暮らせるはずだ」というメッセージです。

さらに、「欲求の法則から逃れたとき、人生の時間を自分が望むことのために使うと、人は自由になれる。欲しいものが増えれば増えるほど、それを手に入れるために人生を費やすことになる」と続けました。

確かに、私たちは無限の欲求を生み出しています。市場に支配され、私たちの人生の時間が奪われているのです。

今の私も、稼がなくてはと躍起になり、本当にやるべきことから離れてしまっています。このブログの更新もその一例です。本当は稼ぐことがメインではなく、もっと様々なことを発信したいのですが、それができず、稼ぐためのことに注力しすぎています。

稼ぐことは大切で、これは辞められませんが、そのために大切なことを失ってはいけません。もっと働く時間を減らし、自由な時間を手に入れて、簡素に生きなければなりません。富を得ることが幸せに直結するわけではなく、むしろ不幸を生む可能性すらあるのです。

このことをムヒカさんは警鐘を鳴らし続けてくれるように思います。本当に貴重な方です。いつまでもお元気でいてほしいです。

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