人気俳優の笠松将さんが、あるテレビ番組で「政治について無関心」と発言したことが、多くの人から批判を浴びています。
さまざまな捉え方があると思いますが、ステレオタイプな批判にとどまるべきではないと思います。この発言の背景について、自分なりに考えてみたいと思います。
「ワイドナショー」における笠松さんの発言
10月6日、石破内閣についての話題を取り上げた「ワイドナショー」（フジテレビ系）に出演した人気俳優の笠松将さんの発言が物議を醸しています。石破新内閣について、泉谷しげるさんらコメンテーターが各々の意見を述べる中、笠松さんは「僕は本当にわからない」「政治は全く詳しくない」と前置きしつつ、新内閣の人事などについては次のように述べたそうです。
「目的がずれているというか、良い場所にいるための話し合いであって、へ～って感じ」
「知らない漫画の13巻から出てきたキャラクターたちがこんなのやってるけど、誰だ？っていう」
さらに笠松さんは、日本がもう何年も改善されていない状態が続いていると主張し、「見ていても見ていなくてもそうなるのなら、他のことをやった方がいいと思ってしまう」とコメントしました。また、「結局、入れたい人に入れたところで、やってくれないでしょ。期限も決まっていないし、言いたい放題だし。誰になっても同じだし。ぶっちゃけ時間もったいなくない？」などと持論を展開しました。
これに対して、泉谷しげるさんは「バカヤロー」と言い放つ場面もあったそうです。
柴田淳さんの発言
この笠松さんの発言に対して、シンガーソングライターの柴田淳さんが、7日に自身のX（旧Twitter）を更新し、笠松さんに苦言を呈しました。
柴田さんは、「やば過ぎますね、どれほど恥知らずなんだろう。これも目先のお金ばかりで、教育を疎かにした結果かと思います」と述べました。
この柴田さんの発言に対して、X上で多くの批判もあったそうですが、「柴田さんが批判されているけれど、笠松さんには真摯に受け止めてほしい。政治に無関心でいることは無責任だと思う」と、柴田さんに賛同する意見も目立ったとのことです。
笠松さんが本当に悪いだけなのか？
しかし、私は笠松さんを一方的に批判する向きにはかなり違和感を感じます。
確かに政治に無関心ではいられないし、いてはいけないとは思います。成人であれば誰でも選挙権を持つ日本において、政治に無関心でいることは政治への責任を放棄しているのと同然です。一定の関心を持ち、責任ある一票を投じるために思考を凝らすべきだと思います。
ですが、笠松さんの意見には理解できます。なぜなら、笠松さんが言う「誰がやっても変わらない」「日本がよくなっていない」というのは事実だからです。その絶望こそがむしろ問題であり、その絶望を生んだ責任は誰にあるのでしょうか？
笠松さんは政治に無関心と言いながらも、結構鋭い点を突いています。他のことをやって自分自身を研鑽し、少しでも高みに押し上げていく方が賢明だとも思いますし、私自身もその考えに傾注しつつあります。
大人たちの責任は重い
日本に覆う絶望感、不安感、無関心などは、決められない政治や変わらない政治を行っている当の政治家たちにもちろん責任があります。その責任は重大です。石破さん、聞いていますか？（笑）
しかし、それ以上に責任があるのは我々大人たちでしょう。特に40代半ば以降、特に私と同年代の50代の責任は深刻です。
この世代が、そもそも政治に強い関心を持って行動していた人間がどれほどいたでしょうか？政治だけでなく、社会問題や社会の動向に対して責任を持って行動している人間が、果たしてどのくらいいるのでしょうか。
ここに柴田淳さんの意見も強烈に響きます。「目先の金を稼ぐことばかりで、教育が疎かになっていた」という意見に対して、多くの同世代の人は仕事の話とどうでもいいテレビ番組の話題や、恋愛に関するくだらない話（真剣なものではなく、エロ話系のがほとんど）で、教養的な話などはむしろ馬鹿にされているのが現状です。まして政治の話など、嫌悪感を持って無視されます。
もちろん、毎日政治の話をするなんてことは言いませんし、それはさすがに嫌になります。ただ、自分たちの生活基盤を考えれば、政治に一定の関心を持たなくてはならないのは当然の話です。
と、私がこういうことを言うと煙たがられるんですよね（呆）。だからダメなんだよ、ジャパーン！
こんな大人たちが席巻する日本だから、笠松さんのような若い人は絶望感を抱き、そのような発言をするのだと思います。それに対する責任を、我々大人がもっと痛烈に感じるべきだと思います。偉そうに言う私自身ももちろん…。
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