新幹線のトラブルが多発 東北新幹線連結外れる 大混乱 人員不足 経年劣化

時事ネタ

先日、東北新幹線が時速315キロで走行中に連結が外れるという前代未聞のトラブルが発生し、約4万5千人の旅客に影響が出ました。

連結トラブルは前代未聞であり、これまで聞いたことがありません。ただ、最近では新幹線だけでなく、各地の鉄道において人身事故や信号トラブルが多発していると感じるのは私だけでしょうか。これに伴う電車の遅延が、昔に比べて増えている気がします。正直、利用者にとってはたまったものではありません!(怒)

怒っても仕方がないのですが、物事には必ず原因があります。それは、鉄道会社の方々が怠慢であるというわけではありません。JRをはじめとする各鉄道会社では、人員不足による技術力の更新や継承がうまく行っていないことが大きな要因ではないかと思います。

東北新幹線の連結外れ、東京や仙台が大混乱

午前6時過ぎに秋田駅を発車した「こまち」は、午前7時過ぎに盛岡駅で「はやぶさ」と連結し、東京を目指していました。しかし、午前8時過ぎに古川駅と仙台駅の間で、何と連結が外れ、後ろを走る「こまち」が切り離されてしまうという前代未聞のトラブルが発生しました!

このときの新幹線の時速は315キロ。ものすごい高速運転中に連結器が外れたのです。その際、「こまち」の乗客は、外れた瞬間にそれほど衝撃を感じず、むしろ「何で止まったのかわからない」と思ったそうです。

新幹線の連結部分の写真

東北新幹線は全線で運転取りやめとなったため、仙台駅や東京駅は切符の払い戻しを受ける人々や、行き場をなくして立ち往生する人で溢れかえりました。

「帰ろうと思ったら新幹線が止まってしまったので、(常磐線経由の)ひたち号で変えることにした。眠っていないので筋肉痛もあって…もう早く寝たい」

「仙台から東京へ5時間かかってきた。会議をやろうとしたが出来なくなった」

「午前10時過ぎに青森へ帰ろうとしたが、災難です」

結局、運休した新幹線は上りと下り合わせて72本に達し、約4万5千人に影響が出ました。JR東日本は連結器の外観に異常はないとし、現在原因を調査しています。

高齢化・後継者不足

それにしても、このところ新幹線のトラブルが多発しています。JRに限らず、鉄道全体でトラブルが増えているように思います。人身事故、信号トラブル、踏切道内の立ち入りに関する安全確認、列車の異音など、数え上げればきりがありません。

なにより、電車に何らかのトラブルが起これば、当然電車を止める必要があるため、遅延が発生します。しかも、その遅延は該当する電車だけでなく、後続の電車や周囲の関連沿線にも影響を及ぼします。

昔に比べて、電車が遅延する確率が確実に増えていると感じるのは、私だけではないはずです。運用が慎重になり、安全第一を重視する面もあるかもしれませんが、それにしても遅延の頻度が多すぎると感じます。

この背景には、鉄道の現場職員の激減が理由として考えられます。これは鉄道に限った話ではなく、我が国で近年来ずっと指摘されている「技術伝承」の問題でもあります。現場職員の高齢化や若手職員の不足といった構造的な問題が影響していると考えられます。

国鉄からJRになった際の新規採用停止が背景に

ここでは旧国鉄からJRになった時の雇用について話します。

旧国鉄は合理化のために1982年度を最後に新卒採用を中止しました。この事実には私も驚きましたが、分割民営化によってJRになるまで新規の採用を行っていなかったのです。人員削減の必要性から考えると理解できる面もありますが、この間に新たな人材を育成するという観点が完全に抜け落ちており、企業の論理から見てもあり得ない話です。

結果として、この不採用の時期が、現在のJR各社の社員の年齢構成に大きな影響を与えています。さらに驚くべきことに、主に鉄道の現場を担う高卒社員の採用は1991年度にJR東日本とJR東海が開始するまでの9年間行われていなかったのです。この採用を控えていた時期があるため、職員数が減るのは当然の結果と言えます。

一時期続いた採用抑制の結果、特定の年齢層が不在となり、若手と高齢のベテランをつなぐ中間層が少ないという現状が生まれました。このため、技術継承がうまくいかない状況にあります。

一連の事故多発が必ずしもこれだけが理由とは言えません。JRや各鉄道会社の資金力不足によるインフラ整備の遅れも影響しているでしょう。しかし、人材不足がもたらす影響は計り知れません。

雇用をもっと生み出し、人を大切に

こうしたJRの話を聞くにつれ、私は悲しい気持ちになります。結局、人材を減らして効率ばかりを考えていた結果、逆に効率も悪化し、精度も低下しているのではないでしょうか。これは日本社会全体に言えることだと思います。

ある政党が「身を切る改革」などと連呼していましたが、実際には「人材を減らすことで効率が良くなる」わけはなく、むしろ行政サービスやさまざまなものが悪化しているという事実があります。もちろん、人材が過剰な職場も存在し、その場合は経営が悪化することもあるため、リストラなどがやむを得ない場合もあるでしょう。ただ、それは一時的な急場しのぎで終わってほしいものです。

長い目で見れば、すぐに解雇したりすることは、その企業や組織を駄目にします。目の前の利益や損得だけで判断し続ければ、最終的に破滅するのは明らかです。真の経営の立て直しは、人材を切ることではなく、育てることにあります。

「優秀な人材だけ残せばいい」といった無責任な意見もありますが、実際にはどんな組織にも本当に優秀な人は全体の2割程度であり、残りの6割は普通の人です。さらに、2割はどうしてもついていけない人が生じるものです。

人間の組織は、そうした2割の優秀な人、6割の普通の人、2割のついていけない人で常に構成されます。したがって、どのようにその人たちを活かせるかを考えることが重要です。むやみに人件費カットを連発すべきではありません。

話しが脱線しましたが、鉄道のトラブル連発もそういった背景にあるのではないでしょうか?人材の確保、育成、大事にすることを怠る組織は必ず劣化します。色々なモノの断絶があってはならず、継承していくことをもっと大切にしていく日本であってほしいなと思います。

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