以前、金沢八景~文庫の散歩コースを当ブログで紹介しました👉 金沢八景~文庫散歩
今回は、そのコースで立ち寄る場所について、さらに詳細な情報をお届けします。今日は「称名寺」と「金沢文庫」に続く2回目の紹介で、「瀬戸神社と弁財天」についてです。この2つの神社は、創建において源頼朝と北条政子夫妻にゆかりがあり、それぞれが対面するように位置しています。しかし実は、その間に「あるもの」が存在し、夫婦仲を裂く形となっています。(笑)
そのあたりも含めて、両者についてご紹介していきますね♪
瀬戸神社
1⃣ 主祭神は海上交通の守り神
瀬戸神社は、およそ800年前の治承4年(1180年)、源頼朝が鎌倉に本拠を構えた際、鎌倉の北東部にあたる金沢の地が鬼門となるため、その守り神として伊豆三島明神を勧請したと伝えられています。古くは「瀬戸三島大明神」とも呼ばれていました。
主祭神は、港や海上交通の守り神である大山祇命(オオヤマツミノミコト)です。伊予の大山祇神社や伊豆の三島大社と同じ祭神です。
2⃣ 金沢のにぎわいの中心地として発展
歴史も古く格式の高いこの神社には、延慶4年(1311年)銘の「正一位大山積神宮」と刻まれた神号額があります。また、多くの文化財が保存されており、なかでも抜頭面・陵王面は、源実朝が使用した舞楽面で、のちに母・北条政子が奉納したと伝えられています。
同神社には、執権北条氏や鎌倉公方足利氏も深い崇敬の念を抱いており、徳川家康も関東に入国すると百石の朱印地を寄進しています。
金沢にあった六浦湊は、鎌倉・室町・江戸期を通じて交易や遊覧の地として賑わい、瀬戸神社周辺は常にその中心地でした。謡曲「放下僧」の仇討ちの旧跡や、金沢八木の一つ「ジャビクシン」、金沢四石の一つ「福石」など、歴史を語る名所が多く残っています。
3⃣ 夫婦仲を裂いた形で国道が走る
この瀬戸神社の対面には、北条政子が建立した琵琶島弁天社があります。しかし、両社は国道16号を挟んで分断されており、夫婦仲に水を差した形となっています。
国道16号は常に車が行き交う場所であり、両社をスムーズに見ることは難しいです。また、少し先に信号があり、そちらに迂回する必要があります。
琵琶島弁天社
1⃣ 北条政子が祭る
「琵琶島弁天社」は、平潟湾に突き出した場所に鎮座しています。祭神はイチキシマヒメで、立ち姿をしているため「立身弁財天」とも呼ばれ、昔から立身出世の弁天様として信仰を集めています。
弁財天は元々水の神様で、海上の安全などを司っていましたが、次第に音楽や学芸の守護神、また福徳の神としても信仰されるようになりました。そのため「弁財天」とも書かれ、七福神の一つにもなっています。
2⃣ 福を呼ぶ福石
弁天社の入口に、金沢四石と言われる石の一つ「福石」があります。もとは、参道東側の浅い海の中にありましたが、昭和41年に国道16号の拡幅工事をした際、今の位置に移されました。
瀬戸神社には福石について次のような社伝が残されています。「頼朝がこの地に伊豆三島明神の分霊を祀った際、頼朝は海辺に降りて海水で身を清める「みそぎ」の神事を行いました。その折、この石に衣服を脱ぎ掛けたので「服石」と名付けられたと言われています。別の言い伝えには、この石の前で何かモノを拾うと大いに福を得ることから「福石」と呼んだという話もあります。
実は、江ノ島弁財天の参道にも同じ福石があります。杉山和一という盲人(目が不自由の方)が、弁財天にお参りした帰り道に、この石のそばでつまずいて転びます。そのとき、偶然拾ったのが竹の筒とその中に入った松葉でした。これにヒントを得て考案したのが「杉山式管鍼」でした。後に将軍・徳川綱吉の病を治したことから信頼を得て、ついには「関東総検校」という盲人最高の栄誉を与えられました。
以後、出世した杉山検校にあやかって、この石のそばで何かを拾うと福が授かるという信仰が広がって、福石と呼ばれるようになったと言います。
3⃣ 六浦湊の繁栄を祈願
江ノ島弁財天は、養和2年(1182)に源頼朝が僧侶文覚に命じて島の岩屋に弁財天を勧請したとが始まりと言われます。
「太平記」には、北条時政が子孫の繁栄を願って江ノ島弁財天に参篭したという記載があります。そして、「祈願を続けて21日目の満願の明け方、緋の袴をはいた美しい弁財天女が現れ、「仏を信仰し、良く身を慎んで励むように」と告げ、たちまち二十丈(約60m)もあろうかという大蛇となって海中に消えたそうです。その跡に大きな鱗が3片残っていました。大願成就と喜んだ時政は、これを北条家の「三ツ鱗」の家紋にしたと言います。
江ノ島弁財天は、近江の竹生島、安芸の厳島と並んで日本三弁天の一つに数えられ、いわば北条家の守護神となっていました。それを受けて政子もまた、六浦湊の繁栄や北条家の安泰を祈願して、琵琶湖弁天を祭ったのでしょう。
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