24時間テレビ ビートたけしは出演拒否の過去が! 今年はやす子さんがランナー (追加情報あり)

時事ネタ

今年も8月31日から9月1日にかけて、日本テレビで「24時間テレビ」が放送されます。今年の総合司会者は、テレビアナウンサーの羽鳥慎一さんと水卜麻美さんに加え、上田晋也さんが務めます。また、恒例のマラソン出演者にはタレントのやす子さんが決定しました。

しかし、この番組には従来から多くの批判が寄せられています。

「チャリティー番組なのに、出演者にギャラが支払われるの?」

「24時間のマラソンにどれほどの意味があるのか?タレントの体調管理に問題はないのか?」

「偽善的ではないか?」

今年はさらに同番組に対する逆風が強まっているようです。その背景を探っていきます。

チャリティ番組なのにギャラが出ている!?

この番組は賛否両論があることで知られています。「感動をもらった」「頑張っている人を見るのが好き」といった好意的な反応もありますが、一方で「偽善度が強すぎる」「感動ポルノの押しつけがましい」といった否定的な意見もあります。私自身も、これらの否定的な意見にはほぼ同調しています。以前、裏番組であるEテレの「バリバラ~障害者情報バラエティー~」では、2016年に『検証!「障害者×感動」の方程式』として、24時間テレビを批判的に取り上げる内容を放送し、話題となりました。

そして、この番組に対する批判で最も根強いのは、チャリティー番組であるにもかかわらず、各出演者に高額なギャラが支払われていることです。

以前、週刊誌「FLASH」が24時間テレビに出演するタレントのギャラを掲載しました。その記事によると、チャリティーランナー(24時間中ほぼ走っている人)は1000万円、総合司会は500万円という、実に高額な報酬が支払われているのです。チャリティーランナーが、無理を押して出演したがるのも理解できる気がします。

24時間テレビはあくまでも「チャリティー番組」のはずです。実際、海外のチャリティイベントにおいて出演料が発生することは基本的にはありません。アメリカで40年以上続いているチャリティ番組「テレソン」は、コメディアンのジェリー・ルイスが司会を務めていますが、出演者にはギャラが一切支払われません。また、豪華なゲストも多く、最近ではセリーヌ・ディオンやテルマ・ヒューストンなどもノーギャラでパフォーマンスをしています。フランスでも、民放の「フランステレビジョン」が1987年から続けている「テレソン」では、出演する芸能人は全員ノーギャラです。

ビートたけしは24時間テレビ出演依頼をすべて断る

このような24時間テレビを痛烈に批判し、出演依頼をすべて断ってきた大物芸能人がいます。それがビートたけしさんです。

たけしさんは、以前出演していた「オールナイトニッポン」でこのように語っていたそうです。

「24時間テレビから出演依頼がしつこく来てたけど全部断ってやったよ。あんな偽善番組は大っ嫌い。誰がなんと言おうと俺は絶対出ない。ヨダレ垂らした芸能人共がこの番組で滅茶苦茶高いギャラ稼ぐクセににこれ以上貧乏人から金巻きあげんな。チャリティって言うくらいならおまえら全員ノーギャラで出ろよ」

たけしさんは、これまで一度も「24時間テレビ」に出演したことがありません。たけしさんは80年代にレギュラーパーソナリティを務めていた「オールナイトニッポン」で、すでに同番組を批判気味に捉えていました。その理由は、チャリティー番組と銘打ちながら、出演者にギャラが支払われていることに矛盾を感じたからでしょう。「出るなら全員ノーギャラにすべき」「あんな偽善番組は大嫌い」と「オールナイトニッポン」でも発言していたそうです。

ちなみにたけしさんは、バラエティー色の強いフジテレビの「27時間テレビ」に出ていますが、これは「24時間テレビ」への対抗意識があったからかもしれません。この番組でたけしさんは、「愛は地球を救わない」といった名言!?も残しています。

24時間テレビに出演を拒否した大物芸能人

たけしさんと同じ理由で、「24時間テレビ」への出演を拒否している芸能人は他にもいます。

明石家さんまさんや所ジョージさんも、たけしさんと同様の理由で「24時間テレビ」への出演を拒否しています。また、笑福亭鶴瓶さんも「24時間テレビ」には出演していません。このように見ると、お笑い系の大物タレントたちは、この番組を批判的に捉えているようです。

台風接近に伴う危険性

この番組が放送される8月31日から9月1日は、台風10号の接近が予想され、開催自体が危ういのではないかと懸念されています。両国国技館(武道館ではなかったです、間違っていました💦)に来客される方々への心配もさることながら、さらに心配なのはチャリティーランナーであるタレントのやす子さんです。

放送作家でスタートアップファクトリー代表の鈴木おさむさんは、フジテレビ系「めざまし8」に出演し、台風10号が日本列島を縦断しそうな状況に触れ、各種イベントの中止が発表されていることについて言及しました。鈴木さんは「運営側も中止にする勇気が必要」と強調し、24時間テレビが生放送で予定されていることに触れて、「運営側や主催者が早めに決断することが、利用者の安全につながる」と語っています。

チャリティー番組である「24時間テレビ」が、来客や出演者の安全を確保できずに強引に開催し、被害が出てしまうことは本末転倒です。各地でライブなどの公演中止が相次いでいる中で、日本テレビには英断が求められるでしょう。

本当の意味でのチャリティーを行ってほしい

これまで批判的な視点で書いてきましたが、出演者全員がギャラに目がくらんでいたり、番組自体が偽善的であるというつもりはありません。出演者の中には、純粋に人のためになりたいと考えて参加している人もいるはずです。

チャリティーランナーとしてほぼ24時間走り続けるタレントのやす子さんは、自らの幼少期に児童養護施設で生活していた過去を明かし、マラソンへの決意を語っています。

やす子さんは高校生の頃、施設で暮らした経験があり、「施設に入ってからは3食のご飯が食べられ、クーラーのある温かい生活を知り、視野が広がって感謝することの大切さを学べた」と語り、その感謝の気持ちを示しています。

やす子さんは、母子家庭で生活が苦しく、中学時代は妹と共に給食以外の食事を摂れない日も多く、給食のない夏休み中にはスーパーで安売りされていたパンの耳を大量に買い込んで飢えをしのいだこともあったそうです。高校時代も、3年間仲間外れにされ、トイレで弁当を食べたり、休み時間を図書館で過ごしたりしていたとのことです。

その後、陸上自衛隊に入隊し、退官後に芸能界に入り、現在の活躍があります。

やす子さんは、その恩返しのつもりでランナーとしての姿を見せたいのでしょう。そして、やす子さん本人は「好きなだけ偽善と言ってもらって大丈夫です」と語っており、全国600カ所以上の児童養護施設のために募金を募り、配る計画です。

やす子さんの純粋な気持ちは疑いようがありません。当日は台風が接近し、危険性が高いため、無理のない範囲で中止を検討してほしいと思いますが、彼女の気持ちを聞くと一概にそうとも言えません。

タレントに極端な無理強いをし、イベントの開催が危ぶまれる中で強行することが果たして本当の意味でのチャリティ番組の趣旨にかなっているのか疑問です。そもそも、高額ともいえるギャラを得てまで行うべき番組なのかも疑問です。

タレントのデーブ・スペクター氏は、「24時間テレビ」が海外のチャリティ番組と異なる点として、目的があまりはっきりしていないことを挙げています。アメリカでは筋ジストロフィー患者の支援や乳がん撲滅など、目的が明確に絞り込まれているのに対し、日本の「24時間テレビ」は「とにかく何か良いことに使います」という曖昧な表現にとどまっています。一方で、デーブ氏は30年ほど前の同番組が真剣でまじめな番組作りをしていたと評価しています。であれば、草創期の原点に戻ることも必要ではないでしょうか。

いずれにせよ、同番組の理念と開催目的を再評価し、真の意味でのチャリティ番組に回帰する、あるいは改善する、もしくは番組自体を終了するという決断が求められていると思います。

※追加情報(9/1 9時10分現在)

やす子さんがランナーとして出場する「全国の児童養護施設に募金マラソン」は安全に配慮しながら実施する方向だそうです。

その後、やす子さんのマラソンは、競技場内での周回コースで行われることが発表されました。250週ほど競技場を走るって、一体…。

その後、日産スタジアムから国技館へ向けて走り出したようです。

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