退職する少し前ですが。ある本を読んでかなり感銘を受けました。
そらは、針貝有佳さんという方の著書「デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか」です。
デンマークは、北欧の非常に小さな国で、人口は1,000万人にも満たない規模です。しかし、国民の豊かさという点では、世界でもトップクラスといわれています。福祉制度が充実していることで知られ、税金はやや高めではあるものの、生活設計にゆとりを持った計画を立て、それを実現しやすい環境が整っているようです。
日本は1億人を超える人口を抱える国ですので、単純に比較することは難しいかもしれません。それでも、デンマークの人々のライフスタイルには、私たちが学び、取り入れるべき点があるのではないかと感じました。
今日は、デンマーク人の時代の変家への対応力が優れている点を書いていきます。
※ 当該記事内容は、針貝有佳さん著の「デンマーク人は何故4時に帰っても成果を出せるのか」を参照にしています
デンマーク人の先見性
デンマーク人は、時代のニーズを読み取って変化する力を持っていると考えられます。デンマーク人のビジネス効率性の高さの秘訣は、結局のところ先見性と変化への対応力の高さにあるのだろうと思われます。
IMD(国際経営開発研究所)では「ビジネス効率性」を「生産性と効率性」「労働市場」「ファイナンス」「経営プラクティス」「取り組みと価値観」という5つのカテゴリに分けています。その中で、デンマークがナンバーワンのカテゴリは、「生産性と効率性」と「経営プラクティス」です。また、「取り組みと価値観」も3位と高い順位を占めています。「生産性と効率性」には、1人当たりのGDP、労働生産性、農業、産業、サービス業における生産性、大企業や中小企業の効率性、デジタル化などが含まれます。「経営プラクティス」には、アジリティ(状況変化への対応力)、取締役会の機能、意思決定へのビッグデータ分析の活用、起業家精神、社会的責任、女性管理職などが挙げられます。「取り組みと価値観」には、グローバル化への積極性、ブランディング、柔軟性と適応力、経済的・社会的改革のニーズ認識、企業のDX化、社会の価値観などが含まれます。
つまり、デンマークの高い国際競争力の秘訣は、状況変化に対する企業の迅速な対応力、モチベーションの高い社員、高度なDX化にあると、デンマーク産業連盟のアラン・ソーレンセン氏は指摘されています。それでいて、デンマークの企業は社員・社会・環境に配慮する傾向があり、余裕を持っているとも言えます。そして、そのスタイルこそが時代のニーズに合致しているのです。それこそが「デンマーク人の時代のニーズを読み取って変化する力」なのです。
デンマークの創意工夫能力
デンマーク人の多くが豊かな人生を送れているのは、未来を見通す「先見性」を持っているからだと言っても過言ではありません。一方、日本人は日々の生活に追われ過ぎて、「先見性」を養う余裕や時間がほとんどないのではないでしょうか。
デンマーク人が「先見性」を兼ね備えているからこそ、彼らは生活力が高いと言えます。いざという時に備えて様々な準備をしており、その変化が起こった時の機動力は非常に高いのです。
デンマーク人はDIYや家庭菜園が好きで、無人島でも暮らしていけるのではないかと思うほど、実に優れた「サバイバル能力」を持っていると言われています。災害大国である日本においては、これがより多く求められるはずですが、日本人でそこまでできる人は果たしてどのくらいいるのでしょうか…。
デンマーク人は、変化し続ける環境を的確に把握し、自分たちが持っている知恵とリソースを最大限に活用して、どんな状況でも前に進んでいこうとしています。これこそが、「ビジネス先進国」を支えるデンマーク人の本質であると言えるでしょう。
そのデンマーク人が先見の明を持っている証拠として、以下のようなランキングが挙げられます。
- 環境パフォーマンス指数:1位
- SDGs達成度:3位
- 電子政府ランキング:1位
そして何より、デンマーク人は「楽しんで」時代の変化を先回りしているのです。
まず、デンマークの首都コペンハーゲンは「世界一の自転車都市」とされています。筆者が移住した2009年の時点ですでに、自転車専用道路・自転車専用信号・電車内の駐輪場など、基本的な自転車インフラが整備されており、その後、コペンハーゲン市は「環境に優しい街づくり」という理念のもと、CO²排出量削減のために「自転車ストラテジー」を加速させました。これにより、次々に自転車専用道路や駐輪場が拡充され、自転車専用の橋「スネーク」が建設され、都市と地方を結ぶ「自転車用スーパーハイウェイ」が整備されていきました。
乗用車での混雑のイライラや電車内の激混みのストレスを自転車通勤では感じることはほぼなく、うんざりする時間が少ないだけでも、精神的な圧迫感が大幅に軽減されます。何より、環境対策という堅苦しい課題を、市民が楽しめる街づくりに転換してしまう「発想の転換力」も、デンマーク人の優れた特徴であると言えるでしょう。
デジタル化先進国デンマーク
さらに、デンマークが時代の変化に対応する力として「デジタル化」が挙げられます。
デンマークは、電子政府ランキングで3回連続で世界1位を獲得しており、デジタル競争力ランキングでもナンバーワンの地位を誇っています。まさに「デジタル化」の先進国と言えるでしょう。
デンマークでは、現金だけを持っているとかなり厳しい状況にあるようです。ほとんどの客がカードやスマホで支払うため、店がレジに十分なお金を用意していないこともあるのだとか。基本的に現金のやり取りを想定していないということです。
私自身、最近はほとんど現金払いが増えてしまいましたので、きっと私もデンマークでは生活していけないだろうなと思います(笑)。
とはいえ、日本でも確かにキャッシュレスが進み、デジタル化が加速していますが、一方で私のように現金払いをするアナログな人間のために、現行のシステムである現金払いを温存しているケースが多いです。顧客への配慮を重視する日本らしいと言えるでしょうが、デンマークでは少し異なります。
つまり、時代に合わせて前進する際、デンマークでは現行のシステムを併存させず、古いシステムは思い切って切り捨て、新しいシステムに完全に「乗り換える」のです。
デンマークでは、行政からの手紙もオンラインのみで届くとのことです。つまり、目を通さなければならない書類が自宅の郵便ポストに届くことはほぼないというわけです。
いわゆる無駄を排除した先進的な取り組みを躊躇せずに行うことができるのが、デンマーク人の強みであり、これこそが無駄な仕事をなくし、効率よく仕事を進める仕組みを作り、午後4時に仕事を終えることができるゆとりあるライフワークを送れる大きな要因ではないかと思います。
日本では、こうはいきません。抵抗勢力が非常に強いのです。人口が多く、保守的な土壌がある日本では、改革が進みにくいのが現実です。「日本には日本の良さがある」というのは事実かもしれませんが、それが日本を30年間成長させていない大きな要因であることは言うまでもありません。いい加減、この事実に向き合わなくてはならないはずです…。
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